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私がここで起業したワケ|EIGHT CROWNS メイナード・プラント

EIGHT CROWNS メイナード・プラントさん

宮城県で起業した先輩起業家を紹介するコーナー「私がここで起業したワケ」。

第12弾は、富谷市で養蜂業を営む株式会社EIGHT CROWNSのメイナード・プラントさんにインタビューをしました。

カナダ出身で、音楽バンド「MONKEY MAJIK」のメンバーとして活動するメイナードさん。なぜこの富谷市で養蜂業を始めたのでしょうか。20年間温めていた養蜂への想い、バンドメンバーとの起業、そして地域への深い愛情について熱い想いを語っていただきました。

プロフィール

カナダ出身。大学卒業後にALT(外国語指導助手)として来日し、その後音楽バンド「MONKEY MAJIK」を結成。幼少期から母国の伯父の養蜂場を手伝った経験を活かし、2018 年にバンドメンバーの菊池拓哉さんと共に株式会社EIGHT CROWNS を設立。
富谷市の七つ森地域で養蜂業を営みながら、非加熱の生ハチミツの生産と販売、ハチミツ酒(ミード)の生産販売をしている。

なぜ富谷市で養蜂を始めたのか 地域との関わりが事業を後押し

養蜂を始めたきっかけを教えてください。

子どもの頃、叔父の養蜂場でよく手伝いをしていました。「ハチってすごいな」と思うことがたくさんあって、おじいさんになったら養蜂家になろうと決めていたんです。
日本に来てバンド活動して20年以上になりますが、打ち上げで話が盛り上がると僕はいつも養蜂の話をしていたらしいです(笑)。農業だったり、養蜂の話だったり。そこでバンドメンバーのTAX(菊池拓哉さん)が「一緒にやらないか」と言ってくれたのが8年前。それがスタートでした。

「ピュアなハチミツを」品質にもパッケージにも強いこだわり

なぜ富谷市で起業しようと考えたのでしょうか。

18年前に引っ越してからずっと住んでいます。第二の故郷として本当に愛しているまちで、TAXもたまたま富谷在住だったんです。最初は仙台のベッドタウンのイメージがありましたが、若い人たちも多くて元気なまち。とても住み心地がよかった。
ちょっとしたセレンディピティ(素敵な偶然)もありました。富谷市が「まちをハチミツで盛り上げよう、スイーツのまちとして盛り上げよう」というタイミングだったんです。
ただビジネスとして始めるのではなく、自分にとっても、まちにとっても意味のあることをしたいじゃないですか。僕がパッションをかけてできることは何かを考えたとき、それはハチミツだと思いました。

メイナードさんがつくる国産生ハチミツのこだわりを教えてください。

よりピュアな国産のハチミツを皆さんに届けたいと考えています。採取したミツをそのままボトリングして本来の味を楽しんでほしい。スーパーなどで売っているハチミツに比べて高価ですが、それだけ日本の養蜂家がつくる生ハチミツはとても貴重なんです。

パッケージもこだわられていますね。

日本にはギフトの文化があります。小さい養蜂場なので、業務用の大きなボトルではなくて、食卓の上に置いても「素敵だな」と思われるものを作りたいと思いました。ボトルはいろいろな会社のサンプルを見て、最終的には日本のグラスメーカーに決定。クリスタルのような透明感で、こだわりぬいた形とデザインです。
ミツバチが一生懸命集めたミツを採取して、一つのテーブルに家族や友人が集まり、パンやパンケーキに乗せて食べる。それは一連の儀式のようなものだと思っていて、一つひとつのステップを大事にする商品をつくりたいという思いがあります。ミツバチが作ってくれた貴重な蜜を、できるだけ素敵に届けたいと思ったんです。

現在の主な販売先を教えてください。

富谷宿観光交流ステーション「とみやど」内の蔵にお店を構えています。あとはオンラインストアです。他には仙台のオーガニックレストランやカフェで扱っていただいているのと、ホテルではアフタヌーンティーで使っていただいています。
お話をいただいてから、生ハチミツがどういうものか、なぜこの事業をやっているのか、種類や楽しみ方まで説明し、それを理解していただいた上で取り扱ってもらっています。

起業成功の秘訣は「こだわる仲間」を集めること

事業を始めるにあたり大事なことは何でしょうか。

20年間ずっと頭の中にプランはあったのですが、TAXに誘われなかったらアクションを起こさなかったと思うんです。起業を目指す方って二つのタイプがあって、考えて考えて起業するタイプと、まずは起業してみてから考えるタイプ。
僕は音楽活動を引退してから養蜂をやろうと思っていました。でも今思えば、そこまで待っていたら体力がなくてできなかったかもしれないし、自分用に小さくやっていただけかもしれない。あのときTAXに誘われてスタートできてよかったと思っています。20年間、心の準備はしていましたから(笑)

起業には多くの人の応援、支えが必要です。事業を推進するポイントは。

「こだわる」仲間を集めることです。そういう人を集めると、いろんなことが本当にスムーズに進みます。ハチミツづくりは僕たちがこだわって、パッケージは僕が信頼するデザイナーさんがこだわる。こだわる人が周りにたくさんいると、自分の専門分野以外はそこまでこだわらなくていい。
純粋に一生懸命つくったハチミツを素敵なパッケージに入れて、こだわりをお客さんに説明できればいいと思っています。実は初めから会社を大きくするつもりはなくて、少ないロットでこだわって作っているのをインスタで発信していたら「食べたい」という方がいて、販売することにしました。

MONKEY MAJIKと養蜂業の両立から生まれるもの

音楽活動と養蜂業の両立はいかがですか。

どちらも同じくらいの時間を割いていますね。春夏は養蜂が忙しく、ツアーは冬を中心にうまくスケジュールしてもらっています。ダイナミックなオンとオフのように、音楽をしていないときは養蜂にマックス集中、逆もあります。
ただ、いい意味で両方が影響し合っています。TAXがよく言うのが「畑で仕事をしていると、歌詞のイメージが思い浮かぶ」。農業からインスピレーションをもらうことがあります。
「Golden Road」という曲は、セイタカアワダチソウの英名Goldenrod(ゴールデンロッド)をモチーフにしています。黄色で背が高い雑草ですが、ミツバチにとっては大切な蜜源です。近くの川沿いを歩いているときに、セイタカアワダチソウがいっぱい咲いている光景がゴールドの道のように見えて、それが歌詞の元になっていたり。常にいろんな体験をすることが音楽のアイディアにつながります。

小さなアクションを起こせば何かが生まれる

今後、やっていきたいことを教えてください。

たくさんの人においしい国産のハチミツを食べていただきたいです。起業した8年前は「生ハチミツ」と紹介しても「何それ?」という反応がほとんどでした。海外では「ローハニー」として当たり前に流通していたので、知っているのが当たり前だと思っていたのですが、当時の日本ではまだハチミツ文化が普及していませんでした。
今はだんだん、生ハチミツのおいしさが伝わってきたと思います。口に入れるものは安心安全であるべきで、生ハチミツが食べ物の生産・加工のプロセスを考えるきっかけになればうれしいです。

これから起業したい人に向けてメッセージをお願いします。

「行動する数分は、何カ月もの思考より価値がある」ということを本で読んだことがあります。たくさん考えることは大事だけど、小さなアクションでもまず起こすことがそれ以上に大事。成功はやるかやらないかで、やらなければ何も生まれません。失敗は財産になるし、アクションを起こすことで何かが生まれるんですよね。あとはこだわって、楽しくやることですよね。

20年間温めていた養蜂への想いを、信頼できるパートナーがくれたきっかけによって実現させたメイナードさん。音楽と養蜂、人の心を豊かにする両方の活動を大切にしながら、富谷市という愛する地域に根ざした事業を展開しています。「考えることも大切だが、まずはアクションを起こすこと」という力強いメッセージは、これから起業を目指す多くの方の背中を押してくれるはずです。

株式会社EIGHT CROWNS

住所:宮城県富谷市富谷新町111-1
HP(オンラインショップ):https://eightcrowns.co.jp/

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